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交響詩「海」は少し「入れ込み過ぎ」では・・。
全体を通して聴いてみて、出来栄えはラヴェルの方に軍配を挙げたい。特に「ダフニスとクロエ」を聴くと、カラヤンの最も得意とする領域であることがはっきりと分かる。絢爛たる「夜明け」から夢のように美しい「無言劇（パントマイム）」、さらには独特な激しさのある「全員の踊り」へ。緩急自在の流れは「素晴らしい」の一言に尽きる。一方ドビュッシーの交響詩「海」は相当苦心しているようだ。流麗な部分があるかと思えば、聴いている側が戸惑う部分もあり、何を聴いているのか分からなくなってしまう箇所さえある。カラヤン氏がこの曲に対してどことなく「入れ込み過ぎ」ているような気がする。「ダフニス・・」第2組曲と比較してみれば一層明らかである。あれだけオーケストレーションの美学を貫きながらも、芯にはどこかで冷めた部分が感じられるのだ。これによって美しいだけではないラヴェルの曲の斬新な「面白味」が際立ってくる。その点では続く「牧神の午後への前奏曲」は良い演奏である。イメージを的確に捉え、且つ全体を通してブレないためであろう。曲の解釈の当否についてはどんな指揮者についても言えることであり、最終的には好き-嫌いの問題なので、それは考えないことにしたい。
カラヤンのラヴェル
カラヤン=パリ管のクープランの墓は素朴な美しさに感動したのだが、こちらはカラヤン本領発揮!ダフニスとクロエはその究極と言えよう。カラヤンがいかにオーケストレーションの美学にこだわったかがわかる一枚。だからこそアンチカラヤンという人が多いのだろうけど、ラヴェルにはむしろはまっているのではないでしょうか?個人的ダフニスの決定版!
絶対買い！
指揮カラヤン、演奏ベルリンフィルは私的にベストな組み合わせ。その中でもこれは曲目も申し分ない。クラシック好きの人なら絶対後悔しないと保証する。

生演奏ならともかく、ＣＤでここまで感動できるものは滅多にない。ハードがしっかりしたものなら、背筋がぞわりとする感覚を味わえるだろう。主役の「海」ももちろんだが、最後の曲「ダフニスとクロエ」が最高。クラシックを本気で聴きたい人に超おすすめ。