クラシック音楽専門店

これが内田さんの音色、内田さんの解釈。
あるときはか細く、あるときは淡く、そして消え入るような音色を意識的に作り出して曲想を表現していくピアニズムが堪能できる１枚です。外交官の父とともに渡ったウィーンで幼少の頃からピアノを学び、ニキタ・マガロフに師事した経緯からもわかることですが、彼女のピアニズムはステレオタイプな日本人的なものとは別次元にあります（演奏会やビデオを見れば一目瞭然ですね）。厚く華やかな音色だけがスタインウエイの良さではありません。シューベルトの心を映すミクロコスモスのようなピアノ作品を表現するために、いぶし銀のような音色を主体にした内田光子さんのアプローチは個性的であり、強い説得力を持ったものだと思います。
演奏よりも音質が気になってしまう。
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おすすめ
このCDを聴いていると、ギターが持つ表現力の豊かさに気付かされます。優しくて温かい、ギターによる武満さんの世界が本当に心地良く、何度聴いても飽きません。武満さんの音楽を知らない人にも是非お勧めしたい一枚です。
出逢えてよかった
ラジオ番組で鈴木大介さんのｵｰﾊﾞｰ・ｻﾞ・ﾚｲﾝﾎﾞｳのギター曲がかかり、もっとその音を聴いてみたいと思いアルバムを探しました。クラシックギターというと固定されたイメージもありますが、このアルバムではビートルズや子供の頃に聞き覚えのある曲をたっぷり聴くことができます。そのうえ渡辺香津美さんとの競演も愉しめるなんて、なんていう贅沢なんでしょう。ギターが２本、天才が２人の編みだす音の深い味わい。さらにさらにアルト・フルートの岩佐和弘さんとの共演では武満徹さんの独特な世界空間を音で旅することができる。 生活の背景にさりげなく流していたい曲、生きる愉しみを思い出させてくれる曲、異空間に誘われる曲。これらがおしげもなく詰め込まれている奇跡のような１枚です。
出会いの結晶
鈴木大介さんを知ったのは、出光の賞の記念でテレビに出演し、渡辺香津美さんと一緒に演奏しているところを見たのが最初でした。クラッシックギターに関してはなにも知識がない私でさえ、2人の演奏にしばらくくぎ付けになり、すぐにCDを探しましたが、これが発売されるまで少し時間がかかりました（でも、もう出ていますから、とても幸せ）。

空の星を単純に美しいと思うように、タケミツもギターのことも何も知らなくても（知っていればおそらくより一層）楽しみ、折りに触れ聞き返し、長く友達でいてくれそうな音楽です。出会えて本当によかった！
CDのライナーノーツにある武満眞樹さん、鈴木大介さんお2人のそれぞれの文にも、深くうたれました。

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ぼくらは高橋アキをきく。
現代音楽＝ピアノ
ジャズともクロスしていた巨星＝武満。彼の作品を高橋が演奏。
聴いているとやはりオリビエ　メシアンからの影響が感じられる。
ヨーロッパ的な美学が濃厚。
音が持つ色彩性、残響の価値、音の中に宇宙を構築するイマジネーションそれらを高いレベルでプレゼンテーション。
ピアニスト高橋の解釈力と集中力、に吸い込まれる。

『すぐれた演奏と言うのは演奏家が一回一回演奏を通して新しい自己を開発し、未知なる自分を見い出している』
おそらくパットメセニーもこれを実践しているものと思われる。
上記の言葉は武満自身の言葉だ。
『肉体を越えるために肉体的な行為を必要とする演奏』この演奏観に私はぶっとんだ。

１０点中１０点　　クライアント＝カスタマー＝リスナー＝に合わせていたらいい音楽はできない